2007.07
31
Tue
CATEGORY: 料理 | RE: 0 | TB: 0 | | 05:39
今日はvinobleのパンについて。
パンは自家製です。
オープン前に色々考えたのですが、やはり自家製となりました。
理由は良いコンディションでパンをお出しするには自家製しか
無いとの結論でした。

パンを焼くには手間がかかります。
技術は勿論時間もかかります。
こだわったは良いが、不安定で日によって美味しく無ければ
意味がありません。
試行錯誤を繰り返した結果、今のスタイルとなりました。

一つは全粒粉を使った重めのパン。
フランスパンで言う「パン・コンプレ」です。
ライ麦も少し入っているので少し重めで食べ応えが
あります。
そしてもう一種は「ナン」。
これはクミンを効かせています。
「ナン」と言えばカレーなのですが、ワインのつまみにも
なりお腹が膨れないパンをイメージしました。
実はもう一種。
チーズ用にドライフルーツを練り込んだパンもご用意して
おります。

前職ではベーカリーもやっていたので少しばかりはパンも
分かるのですが、作るのは調理スタッフ。
パン屋じゃないのでパンばかりにウェイトはかけれません。
しかし前職からのお客様の期待もあるかと、少し張り切って
しまいました。

前職ではパン屋さん周りも随分しました。
パリまで何度も行き、朝からパン食べまくり!
一日6軒以上×5日間食べ歩きをした事もあります。
パン屋さんへ行き主要なパンを購入後、近くの公園へ。
パリジャン気分で歩きながらバゲットをかじり次へ移動。
そしてまたまた次のパン屋さんへ。
楽しかった思い出です。

色々食べましたが個人的にはバゲットは「ガナショー」、
ヴィエノワズリー(菓子パン系)は「プージョラン」、
カンパーニュはやはり「ポワラーヌ」が印象に残っています。
店舗の内装は有名ですが「ル・ムーラン・ドゥ・ラ・ヴィエルジュ」
(パン屋の名前とは思えない程長すぎる)は素晴らしいお店です。

パリのパン屋さんは「菓子屋系パン屋」と「パン屋系パン屋」に
分かれる様です。
よく分からない表現だと思いますが、「菓子屋系」はクロワッサンや
ブリオッシュなどの菓子パン系が得意。
反対に「パン屋系」はバゲットやカンパーニュなどのリーンなパンが
得意の様に思います。

イタリアのパンも面白いです。
トスカーナの塩の入らないカチカチのパンや、色々入ったフォカッチャ、
「フガス」はイタリアとフランスで全然違ったりで面白いパンです。
リスボンでもライ麦主体のトーストをバターたっぷりで魚介料理と
楽しんだ時は至福のひと時でありました。

当店では「パンも美味しいね。」とお声を掛けていただく事が多いです。
スタッフ共々「やって良かったね。」と思える瞬間であります。

2007.07
26
Thu
CATEGORY: ワイン | RE: 2 | TB: 0 | | 05:52
vinobleのワインセラーを公開。
公称200種1500本のワインとなっておりますが、実は種類、本数
共にもっとあったりします。
オープンから早1ヵ月が経とうとしていますが、恥ずかしながら
整理が完了していません。

お客様にご利用いただく空間は1階と2階ですが実は地下にも
スペースがあります。
厨房の一部とストック用に使っていますが、個別にワインセラーが
あります。
ここは独自の空調を入れており常時16度位に設定にしております。
コンクリート打ちっ放しの地下なので特に加湿はしておりません。

前職では加湿器も入れたりしたのですが、元来多湿な日本では
必要無いのではと言った見解です。
実際オートマチックの加湿器で湿度管理をしても殆ど作動
しないのが今までの経験です。
たまに加湿している時があったのですが、殆どが誤作動でワインが
びしょ濡れになってしまった事も多々ありました。

私の経験上ではボルドーでは地上セラーが殆どで、ブルゴーニュは
地下が多いです。
いずれも空調と言った物は無く自然の温度に任せているのが大半かと
思います。
お化けのような冷却チューブをセラー内に通している所もありました。
シャンパーニュも地下が多く自然環境の下、管理されています。
石造りの建物は夏でも地下はヒンヤリしています。

イタリア、カリフォルニア、チリなどはまちまち。
シャトーの様な建物がある所は大抵地下スペースがあり、そこで
保管。
しかしながら「大丈夫?」と言った倉庫で管理している所も少なく
ないのが現状であります。
湿度管理のシステムを導入している所を私は見た事がありません。

星付きレストランも大抵が地下室。
3つ星ともなると地下に広大なスペースを持っている所も少なく
ありません。
中でも興味深かったのが”TAILLEVENT”。
勿論、店舗地下にもスペースがあるのですが、それ以外にパリ郊外の
防空壕跡(洞窟みたいです)に大量のワインをストックしています。
ここは温度は完璧なのですが湿度が高すぎる様で、紙箱のワインは
崩れる様な状態であり、ラベルもボロボロになってしまいます。
それでも中身は完璧な状態を保っております。

日本ではラベルの汚れたワインは商品価値が下がってしまいますが、
流石にこのレストランでは関係無い様です。
ラベルがボロボロになってしまったオールドヴィンテージも味が
あって良い物かと思いますが、いかがでしょう?

数年前に大昔に沈没した船から引き上げたワインが素晴らしい状態で
あったと言う海外の記事を読んだ事があります。
確かに瓶が割れない程度の水圧下で陽の入らない海底は、良い環境かも
しれません。
酸素が全く入らないのでむしろ若いかも知れませんね。
塩っぱくなければ完璧でしょう。(笑)

当店では地下に1500〜2000本位を収容(箱積み含む)、2階には
120本入りのセラー冷蔵庫を一台導入し品質管理を行っております。

ご興味お有りのお客様は、散らかっておりますがご遠慮無く
「セラーを見たいっ!」とおっしゃって下さい。
ご案内させていただきます。




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2007.07
19
Thu
CATEGORY: 料理 | RE: 0 | TB: 0 | | 05:30
ムール貝。フランスでは牡蠣に次ぐポピュラーな貝です。
中でも有名なのはブルターニュ地方。
此処は海の幸の宝庫であり、様々な魚介類が獲れます。
有名なのはオマール海老で「ブレトン」と呼ばれ少し青みがかった
体色なのですが火が入ると真っ赤になります。
籠に入れた状態で焼き上げたブルトンの丸焼きを出す名店があるそう
ですが、残念ながら行った事はありません。
前職で扱った事がありますが、目が飛び出る程高価な食材です。

それに引き換えムール貝は庶民的な食材。
ブルターニュではワイン蒸しにした「ア・ラ・マリニエール」
(船乗り風)が中でも有名かと思います。
付け合せには決まってフライドポテト。
これは合うのかどうなのか疑問もあるのですが、お決まりなのです。
何かアメリカっぽい気もするのですが、有名な「ステック・フリット」
も(牛ハラミのステーキ)フランスではポピュラーな料理ですが、
これも山盛りのフライドポテト添えがお決まりです。

正式(?)な食べ方は一つ目はフォークを使って食べ、二つ目からは
空いた殻をはさみの様に使って食べる?
本当かどうかは疑問ですがサンフランシスコでもこの食べ方を推奨
された事があります。

vinobleでは愛知産のムール貝。
ブルターニュ産も輸入されているのですが、貝はやはり鮮度が大事。
小振りな愛知産は大変美味しいです。

余談ですが3年前にVINEXPO(ワイン見本市)でボルドーを訪れました。
その時はお祭りでもあったので毎日毎晩豪華ディナー。
でも一番印象に残ったのは見本市の露店で食べたムール貝。
ブルターニュの有名店が出店していました。

思い出深いムール貝のワイン蒸し。
合わせるワインはボルドーの白?ロワールのサンセール?
ミュスカデも良いし伊のピノ・グリージョも◎。
もちろんシャンパンも最高ですよ!




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2007.07
15
Sun
CATEGORY: その他 | RE: 0 | TB: 0 | | 07:08
お盆休み。
皆様はどの様なご予定でしょうか?
vinobleの営業日程は以下の通りです。

8/11(土)18:00〜22:00(L.O.)
8/12(日)定休日
8/13(月)18:00〜22:00(L.O.)
8/14(火)18:00〜22:00(L.O.)
8/15(水)18:00〜22:00(L.O.)
8/16(木)以降 通常営業 18:00〜27:00(L.O.)

要するに11日〜15日は深夜営業はお休みを頂戴し、16日以降は
通常営業です。

皆様のお越しをお待ち申し上げております。

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2007.07
11
Wed
CATEGORY: 料理 | RE: 0 | TB: 0 | | 05:54
「カルパッチョ」伊・ヴェネツィアの”ハリーズ・バー”で生まれた
有名料理です。
オリジナルは肉ですが、刺身好きな日本では魚の方がメジャーです。

”ハリーズ・バー”と言えば文豪ヘミングウェイが愛したレストラン
として有名ですが、前職では過去に提携していた事もあって、馴染み深い
レストランでもあります。
有名な食前酒「ベリーニ」も此処が発祥の地であります。

ヴィノーブルと同じくメゾネット(2階建て)の構造で、スタッフは
1F〜2F を走り回っています。
印象的なのは真っ白なジャケット。
汚れの目立つ制服ながら彼等はその白さにプライドを持っています。
過去にイヴェントを行った際には、そのジャケットを1日のイヴェント
の為に日本まで3着も持って来ていました。
そのバーテンダーの名前はsig.クラウディオ。今はチーフバーテンダーに
なっていると思います。
当時そのプロ意識に感動した憶えがあります。

話は戻って「カルパッチョ」。
この料理を日本で食べると刺身魚に塩、胡椒、そしてオリーヴオイルを
かけただけと言ったスタイルを良く見かけます。
当店の「カルパッチョ」は違います。
シェフに怒られるかも知れませんがレシピを公開。
まずは活け締めの魚、それに塩、胡椒。
そしてエストラゴン風味のグラス・コンソメ(煮詰めたコンソメ)を
万遍無く塗り、サフラン風味のオリーブオイルに漬け込んだ
エシャロットをまぶします。
その後お出しする直前にハーブを刻みます。
そこがシェフの拘り。
直前に刻まないとハーブの香りが半減するとの事。
実はこんな工程で作っております。

vinobleの「カルパッチョ」。
是非一度お試し下さい。

さて合わせるワインは?
酸の立ったフレッシュな白?コンソメ使っているからコクのある
タイプ?シャンパン?
その時のご気分も考慮して相談して決めましょうね!



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2007.07
08
Sun
CATEGORY: ワイン | RE: 0 | TB: 0 | | 05:56
ワインの提供温度は重要だと思っております。
低すぎると酸味が強調され、高すぎるとアルコール分の
揮発が促されヴォリューム感過多の状態になります。

私個人の考えではアペリティフに楽しんでいただく
シャンパンやビールなど、低い温度で楽しんでいただくので
その後は若干低めの温度でご提供したいと思っております。
と言うのも前ドリンクが低い温度の後は、冷やしたつもりでも
温度が高く感じてしまう事が多いからです。

今の季節などは蒸し暑い外からご来店いただいた直後は
やはり冷たい物が欲しくなるかと思います。
かと言って白ワインのボトルをオーダー前にギンギンに
冷やして置くのも難しい事であります。

白は冷やして、赤は室温と良く言いますが、それはあくまで
目安でありそのワインによって美味しく感じていただける
温度は違うと思っております。

私の経験上では極寒のブルゴーニュでのテイスティングは
赤ワインも歯にしみる程の温度で、良く分からなかった記憶が
あります。
初夏のハワイでは張り切って素晴らしい赤ワインをオーダー
したのですが、温度が高すぎてアルコール感ばかりが目立って
しまい台無しだった事があります。

良いシャンパンも冷えすぎては台無しです。
かと言ってぬるいシャンパンは想像しても美味しく思えません。

この話は長くなるのでここらで一旦締めさせていただきますが
お客様のお好み温度もあると思っております。
そう言ったご注文もご遠慮なくお申し付け下さい。
少し冷やした赤ワインも美味しいモノであります。

2007.07
02
Mon
CATEGORY: 料理 | RE: 0 | TB: 0 | | 05:26
早速”裏メニュー”なのですが馬肉ハラミをご用意しております。
当店では備長炭で焼き上げ赤ワインのソースでお楽しみいただきます。
外は焼き固めミディアムの状態。
ジューシーな旨味が口中に広がります。
肉は塊で焼くのが一番だと思っております。
産地は熊本。生産者から直送でやってきます。

合わせるワインは何でしょう?
ポムロール?南仏の濃い目の赤?いやいやトスカーナも捨てがたい・・・
などと色々考えますが、果実味の凝縮したタイプなら何でも
合いそうです。

馬肉は伊や仏ではあまり見掛けない食材です。
とは言え私は数年前に伊のヴェローナの老舗名店でタルタルで
楽しみました。
そうすると定石ではヴァルポリチェッラとなるのでしょうか?
その時の食事の後半にはアマローネ(ダル・フォルノ・ロマーノ)を
楽しみましたが馬肉と一緒に楽しんだ訳ではありません。

さてどんなワインと楽しみましょう?



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